末期癌の場合は緩和ケアが中心に

末期癌の患者さんに出来るケアというのは非常に少なくなり、痛みを和らげる程度になると考えてください。医師側としても痛みを緩和するケアに重点をおいてくると思います。患者の精神をいかに安定させてあげるか、これがターミナルケアにとって一番大切なことです。

精神的ケアができるのも出来るのは医師でもなく看護師さんでもありません。当たり前のことですが、精神的ケアができるのは家族しかいないのです。

カウンセラーのような専門知識が必要というわけではなく、家族本来の思いやる気持ちが患者さんにとって何よりも大事なのです。ただ一緒に居てあげる、これだけでも十分なのです。これこそが患者さんにとって大きな救いとなるのです。

優しく話を聞いてあげる

末期癌の患者さんは色々な葛藤を抱えています。自分の人生が残りわずかなものという事を強く自覚せざるを得なくなり、様々な不安や恐怖に襲われていたりもします。

ですからご家族のみなさんは、患者さんの不安を聞いてあげてください。解決策を提示したり、反発するという事はいりません。なにより必要なことは、患者さんの不安を言葉にさせてあげることが重要なのです。不安な気持ちを具体的な言葉へと変えたことで、患者さんの気持ちは大きく変化します。

また過去の出来事で、納得できなかったこと、そして後悔していることなども患者さんの心の中には沢山生まれているはずです。そうした話もご家族との対話によって患者さんから引き出してあげてください。話を聞いてあげるだけでいいのです。これだけで患者さんはすごく心が落ち着くのです。

願いを叶えることが大きな救いとなる

末期癌の患者さんの願い事に関しては出来る限り具体的な行動に示してあげる事も大切です。自分のために行動してくれる、そうした人の存在は大きな救いとなります。

特別な信仰を持たない人もこのターミナル期になると、生死の問題といったスピリチュアルなテーマについてよく考えるようになります。

自分の人生とは価値あるものだったのか、命とは何か、、、そうした答えに正解は無いかもしれませんが、自分の納得できる答えを見つけさせてあげる、それこそが患者の救いになり、心安らかになれるのです。

「以前はこんな話をしなかったのに」と思うときがあるかもしれませんが、患者さんとしてはそうした話を通じて自分の価値を再確認しておきたいという気持ちがあるのです。一緒に話し合い、そして生まれて来てよかったと患者さんと一緒に話をしてください。





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