末期癌患者の苦痛「呼吸器官」

ターミナルケア期、癌患者さんの身体の呼吸器官は大きく影響を受けています。

呼吸器官系の癌ではなくとも、息苦しさ、というのは共通した苦痛のひとつです。健康体ではなんでもなかった行動においても、大きな息苦しさを感じるようになり、ターミナル期では出来ることが徐々に徐々に減っていきます。

排尿や会話といったごく当たり前な行動にも、健康体では考えられないような息苦しさを感じてしまいます。特に「会話で感じる息苦しさ」というものは患者さんを大変苦しめる事になりますので、よく覚えておいてください。

コミュニケーションが苦痛に

家族間のコミュニケーションはターミナル期の患者さんの精神的負担を軽減する為には不可欠な要素であり、コミュニケーションとは会話が大きな割合を占めることになるということは間違えないかと思います。

しかし会話という行動は、通常よりも酸素を多く消費するものですから、患者さんにとっては大変負担が大きいものになります。流暢に言葉を話すことは出来なくなり、患者さんが話す言葉は徐々に短くなり、最終的には「一言のみ」の会話になります。

息苦しさが死を近くする

息苦しさというものは、死への恐怖に結びつきやすいものです。健康な人も、幼い頃など、大きな風邪を引いて、息苦しくなり、ふと死を近くに感じ恐ろしくなったという経験は無いでしょうか。

ターミナルケア期の患者さんはそうした死への恐怖を、息苦しさから常時感じていることが多いものです。その事を家族はしっかりと理解してあげてください。

会話ができなくなった患者さんには、話をしなくてもいいのです。まずは触れてあげてください。この触れるという行為、これはこの時期の患者さんの心を大きく救います。

赤ちゃんが親に触ってもらい安心して眠っていくのと同様に、ターミナル期の患者さんもこの触れてもらっているという動作にとても安心感を覚えるのです。

誰かに触ってもらう事は、本能的に人間を落ち着かせます。特にターミナル後期の患者は、通常のコミュニケーションは取る事が不可能となっていますから、こうしたケアの方法が非常に効果的になってきます。





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